「熊間」は二条駅から歩いて 10 分ほど、石畳の露路を一本入ったところに 2 階建ての長屋が並んでおり、そのうちの一軒を改装した住居兼ギャラリーである。年に数回、アーティストや建築家、写真家、デザイナーなどの展示を行いながら、それをきっかけに改修をし続けている。

そしてここでは、展示中も、準備中も、家主が住み続けている。展示がはじまると様々な人がこの場所を訪れ、会期が終わると次の展示のために改修する。家主の生活空間は、展示をきっかけに変容し続けるのである。
熊間の設計 / 改修をはじめる前に、『大学・中庸』という本を家主と一緒に読み、自分たちのつくる場所や、向かっていきたい先についての意識を共有した。

その着地点は個人的であるなかで、私たちが思う中庸な状態を目指して、判断を積み重ねている。
結果的にとても個性の強い空間になっているが、そうであるからこそ、わたしたちは建築の専門性をもって関わり続け、ここで展示をしてくれる個人と対話し、空間をつくり続けたいと考えている。

熊間
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gallery , house
Kyoto , 2023-
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Design:浦田友博 (浦田) + 小野木敦紀 (onogi)
Construction:浦田友博 (浦田) + 小野木敦紀 (onogi)
Yanushi:熊野豊 (熊間)
Photo:大竹央祐 (1-7,14-20,25-29) 八杉和興 (21-24)  守屋友樹 (30-33)
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